物語:「橋の上の責任者」
昔々、とある町に「橋の修理」を任された工房がありました。橋は町の人々の命をつなぐ大切な道。
工房の親方(フランチャイジー)は、日々橋の点検と修理に励んでいました。
ある日、都から「本部の監督官」がやってきました。監督官は「橋の材料が余っているから使って
みないか」と提案しました。
親方は、すでに地元の材木屋と契約寸前でしたが、都の提案を信じて契約を断りました。
ところが数日後、監督官の部下がやってきて「その話は無かったことに」と告げました。
親方は慌てて材木屋に連絡しましたが、すでに材木は他の工房に渡ってしまい、手に入らなくなっ
ていました。
親方は都に苦情を申し入れました。すると監督官はこう言いました。
「私は悪くない。全部、部下のせいだ。なぜ私が呼ばれたか分からない。町はたくさんあるのに、
全部に対応できるわけがない。」
親方は言葉を失いました。橋の上で責任を果たすべき者が、橋の下に責任を投げ捨てて帰ってし
まったのです。
その後、親方は自ら材木を探し、少し高くついたが無事に橋を修理しました。町の人々は安心し
て渡れるようになりました。
そして親方は、橋のたもとに小さな札を立てました。
「責任とは、橋の上に立つこと。逃げる者に、橋を任せてはならない。」